Keep paddling project第23章

快挙・SUP世界三団体制覇!!

Profile

荒木珠里(あらきしゅり)teamKANAKA所属
2006年5月7日沖縄生まれ、18歳。NHK高等学園 3年生

 

幼少の頃から沖縄の大自然に囲まれて育つ。漁師の祖父の影響で物心がつく前から海に飛び込み、アスリートの父の影響でSUPを始めた時期は記憶に無いほど、”海”は彼にとって欠かせないフィールド。将来はオリンピックで金メダルという夢を描きながら父の背中を追いかける。趣味は読書。得意な科目は図工と体育。小中一貫校、緑風学園時代には持久走大会では1年生から最終学年まで9連覇、小中最大の目標を達成し読書数は2000冊を越えた。高校進学しプロの道を歩き始める。Shuri grew up surrounded by the great nature of Okinawa. He jumped into the ocean before he could remember because of his fisherman grandfather, and the time when he started SUP under the influence of his athlete father is an indispensable field for him. He paints his dream of a gold medal at the Olympics. His hobby is reading. His favorite subjects are arts and crafts and physical education. During his time at Ryokufu Gakuen, an integrated elementary and junior high school, he won nine straight victories in endurance races from the first year to the final year, achieving the biggest goal in elementary and middle school, and the number of books he had read exceeded 2,000. He started high school and professional career.



 

 

木珠里メルマガvol72(2024年10月10日) から引用

皆さんこんにちは。荒木珠里です。先週末、10月5日、6日に韓国・釜山で開催されたAPPワールドツアーに出場してきました。僕と父と妹の夏南風(11才)の3人での韓国遠征、6月末のO2Yを終えてから、約3ヶ月に渡り、長い合宿を沖縄で積み、このレースに挑みました。レースの結果は、初日のスプリントレースで準優勝、2日目のディスタンスレースでは300Mという大差をつけて優勝、よって総合優勝を果たすことができました。妹のかなかも11歳で14歳以下の部門にチャレンジしました。妹も沖縄で僕たちと一緒に練習をして、その時使っていたボードと同じボードが韓国に届く予定でしたが、台風の影響でレースに間に合わず、いつも使っていたハードボードとは全く違う空気型の(多少ブヨブヨしてしまう)インフレータブルボードで挑戦しました。それでも惜しくも2種目とも4位で、表彰台は逃してしまいましたが、年上の中でチャレンジして、とてもいい経験になっていました。初日スプリントでは準決勝までとても素晴らしいパフォーマンスで会場を驚かせましたが決勝は干潮で浅瀬に足とボードが取られてしまい、思うような悔し涙を流している姿に僕もとても辛い気持ちになりましたが、翌日は最年少とは思えない見事な漕ぎで圧巻でした。*このページの一番下にYoutubeがあるので是非動画をご覧ください。

さて、僕のレースの話に移りたいと思います。初日のスプリントレースは、300Mのコースで波打ち際の難しい地形の中、波風で勝敗の運が左右するレースとなりました。予選、準決、決勝と順調に進んでいきました。今までは内臓も小さく、筋肉も発達していなかったので、海外の大人の選手と対等に戦うことも難しかったスプリントレースでしたが、今年18歳になり、ようやく体が成長してきて、スプリントレースでも戦えるようになってきたことを実感できました。ですが決勝戦、スプリントで優勝したクリスチャンとスタートでは横並びでいいスタートができましたが、スタート直後に僕の方にだけひとつ多く波が来て、そこで少しではありますが、スプリントでは致命的な差ができてしまいました。そのあとのクリスチャンはさすがの爆発的なパワーで、僕の実力ではまだ敵わず、そのまま差を縮めることができずに、準優勝でした。冷静にレースを進めることができ、自分にもスプリントレースで負けない力がついてきたことを実感できたのでとても良かったです。ですがまだまだ課題が多くあるので、また次に繋げていきたいと思います。

翌日のディスタンスレース、総合優勝するためにはここで優勝することが最低条件だったので気合を入れてレースに挑みました。1.5kmを6周で9kmのレース、最初から最後まで誰の後ろにもつかずにずっと先頭を漕ぎ切りました。今年の4月、5月に出場したEuroツアーでも全勝優勝することができましたが、このAPP韓国に向けて約3か月間、沖縄で合宿を積み、お父さんのおかげでまたさらに精度の上がった漕ぎを習得し、その結果今回のディステンスレースでこの大差をつけて優勝することができました。また、それだけではなく大差をつけることができたのも、小さい頃から沖縄の深い外洋で波や水の動きを読む力のおかげで、他の選手には見えない波を掴み、そのたびにどんどん差が広がっていきました。初日スプリントで1位だったクリスチャンはディスタンスでは2位、ポイントでは僕と同点になりましたが、このAPPワールドツアーではディスタンスのポイントが優先されるため、結果は僕が総合優勝を獲得することができました。さらに、APPワールドツアーは名前の通り、1年で約4戦、世界各地でレースが行われるツアーで、普段は4戦のうち、最もいい成績である3戦の合計ポイントで年間のワールドチャンピオンが決まります。ですが今年に関してはこの韓国の一戦のみの開催となり、韓国での優勝者が年間チャンピオンに選ばれます。よって僕が、18歳史上最年少で、今年2024年のAPP年間ワールドチャンピオンになることができました。15歳の時に初めてAPPに出場し始めてから4年目、ずっと目指してきたAPP年間ワールドチャンピオンになることができてとても嬉しかったです。

 

 


「荒木が最年少総合V」 -三団体の大会制覇- 10月10日 琉球新報

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レースを終えたら、表彰式の前に、韓国の小学生から中学生のサップをしている子供たちを中心にサップレクチャーを行うことができました。韓国にはすでにここまでたくさんの子供たちがサップに取り組んでいることにとても驚きました。レクチャーでは、僕たちがサップが上達するために必要だと思う技術や、僕たちが小さい体で大きな海外選手たちに勝つためにどのような練習をしているのか、などを紹介しました。中でも、今世界で僕や妹たちしかできない両足ききの技術、僕たちがスイッチスタンスと呼んでいる技術を披露させていただいました。この子たちが今、こう言ったハイレベルな技術を練習して習得すれば、いつかサップがオリンピック種目になった時、今の僕よりもレベルの高い選手になっていると思います。なので、その子達と一緒にオリンピック金メダルを目指して、自分もさらに進化して負けないように頑張りたいと思います。

最後に、サップは今、大きく分けて4つの団体が世界選手権を行なっています。ひとつ目が僕が16、17歳で2連覇2冠を達成したISA国際サーフィン連盟の世界選手権、二つ目が今年4月に全勝優勝をして年間チャンピオンを獲得したEuroツアー、そして今回の韓国で2024年の年間チャンピオンになったAPPワールドツアーです。残るひとつは来月、アメリカフロリダ州で行われる「ICF国際カヌー連盟」の世界選手権。僕たちは今まであえて年上の大人にチャレンジして負けるかもしれない不利な条件下のレースにも挑戦し勝利を掴み取ってきました。来月のICF世界選手権も、波が全くないカヌー競技場で行われ、僕が一番不利と言われているレースになります。それでも、ずっと小さい頃から憧れてきたレジェンドたちに近づけるよう勝利を掴み取ってまだ世界で誰も成し遂げたことがない「4団体統一王者」を目指します。

いつも応援していただいている後援会の皆さん、スポンサーの皆さん、いつも本当にありがとうございます。今回のAPP・韓国でのいい結果を皆さんに報告できたことがとても嬉しいです。僕のYouTubeもお父さんが徹夜で編集してくれて、ライブ配信がなかった2日目のディスタンスの様子もしっかり写っています。前編動画はレースの様子を中心に、後編動画は僕と妹のかなかのインタビュー動画となっています。ぜひ、僕と妹のレースも合わせてご覧いただけたら嬉しいです。


まだまだ挑戦は終わりません。韓国の勝利は胸にしまって、次の目標に向かって気を引き締めて頑張っていきたいと思います。皆さん、引き続き応援よろしくお願いします!!

keep paddling. 荒木珠里


【ご報告】6月1日(土)沖縄県北谷町にある沖縄MAZDA北谷店のショールームにて、Euro Tour報告会を開催しました→ 詳細
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